会長代行、貴方の心を全部わたしにください
episode 4ーお姉さまには
重役会議での会長代行は終始、凛としていた。


プロジェクターを使用した様々なデータ説明と、重役たちに配布された会議資料を元に、会長代行に重役たちから鋭い質問が相次いだ。


会長代行はそれに淀みなく的確に答えて、指示を出した。


会議は滞りなく進み、時間より15分も早く終了した。


「とんでもないな。着任半年? 会長以上だな」


「総代が会長代行に推しただけある」


重役たちが会話しながら、会議室を出ていった。


会長代行は重役たちが全員、会議室を去っても、席に座ったままだった。


「会長代行?」


片付けをする手を止めて、会長代行の側に寄り、そっと声を掛ける。


「……半時間ほど医務室で休む時間はあるな?」


会長代行はこめかみを押さえ、ゆっくりと立ち上がる。


「はい……大丈夫ですか? 手を」
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