なんだか、おかしい。

ワイパーも役に立たないような土砂降りの中、課長の車の助手席にちんまり座ってぐるぐると考える。



『会社に泊まるわけにはいかへんやろ』



そう言われて会社近くのコインパーキングに止められていた課長の車に押し込まれた。

ほんの50mほど歩いただけなのに、傘は意味を成さずわたしの洋服はビッショリだ。

家に・・・・・送ってくれるんだろうか?

車で出勤したことがないのでどこに向かって走っているのかが分からない。

さっき課長はわたしを「獲物」と呼んだ。

意味はわからないけれど頭の中で警鐘が鳴っている。

「着いたぞ」

声をかけられて車がどこか地下駐車場に入っていることに気付いた。

運転席から回りこんできた課長にドアが開けられ、何故だか手をしっかり繋がれる。

「課長?あのここどこですか・・・・・?」

「オレん家」

明快なお答えありがとうございます。・・・・・ってなんで!?

「課長!わたし自分の家にかえりま・・・・・」

「無理。お前ん家までこの雨の中、運転なんかでけへん」