めはくちほどに
プロローグ


周りの人間を苦しめたいと思うなら、一番それは楽な方法だと思います。



お味噌汁持って行ってー。

はーい。

それ私の靴下!

ええ、どっちでも一緒だよお。

賑やかだ。

目を覚ますと、木の天井が見えた。味噌の良い匂いがする。

どこの異世界に迷い込んだのかと、身体を起こした。

キッチンというよりは台所と言った方が正しいような造りと、コンロの前に立つ女性。

エプロンの柄は猫。三毛猫。

「あ、おはようございます」

「……おはよう、ございます」

もう一度眠った方が良いだろうか。

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