ノンストップラブ
ε. 本気の想いで
夕方近くになり帰りもまた車で送った。

駅前のパーキングに駐車し誠のマンションで俺は礼を言った。

「ありがとう。今日は無理強いしたかも。」

「ううん、全然。楽しかった。それにおばあ様におば達のことをあんな風に言ってもらえて嬉しかった。」

「そっか、ならいいけど。」

「おばあ様が話してらしたことって大体わかる。優も弁護士だった。そうでしょ?」

「俺には続かなかった。辞めたんだ。」

「それってすごく勇気がなくちゃ簡単に辞められることじゃないと思うけど。」

「一家で猛反発食らったよ。戻る気はない。」

「私にはわかる。頭のいいおばあ様が私に何をさせようとしているかをね。」

俺は一気に頭に血がのぼった。

「誠、嘘だろ、そんなはずない。」

「私がおばあ様の立場ならそう考える。ぴったりのシナリオをね。」

「くそっ、どうすりゃいいんだ。」

「簡単よ。私が優と別れればいいの。」

「別れるだって?」俺は大いに焦った。

「そ。」

「冗談じゃない。」心臓がドクドクしてきた。

「もう、優ったら大袈裟ね。」

「じゃ、どうするんだ。」

「私はライターなのよ。決まってるわ。裏をかくのよ。」

「はあ?裏って?」俺はわけがわからなくなってきた。
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