わたしが小説を書くように
加速していく恋
 指定された日づけに、わたしは先生をたずねていった。

 わたしを招き入れ、視線を光らせながら、なにもいわない先生。

 わたしは、診察台の上の患者の気持ちになった。

  
 だめ、なのかもしれない。

 ひどく不安になって、先生の顔が見たいのに、見られない。

 これが、大人の男のひとなのだろうか。

 威圧感に、押しつぶされそうだった。
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