わたしが小説を書くように
コンプレックス
 わたしも先生も、毎日を楽しんでいたことに間違いはない。

 だけれども、だんだんとわたしの中にわだかまるものが生まれてきた。


 親しめば親しむほど、先生の態度が変化してきたのだ。


 デートはだんだんと、欲望の交歓会になってきていた。

 最初は目新しさを求め、わたしを連れまわしていた先生も、
 明らかにからだ目当てになり、傲慢になっていった。

 先生に性格的な難があるということも、わかってきた。

 簡単にいうと、プライドが高く、横柄で、狭量。

 わたしの前で、他人の悪口をいうこともしばしば。

 それは、好意的に解釈すれば、わたしに心を許し、甘えているともとれるだろう。

 でも、そのときのわたしにはそうは考えられなかった。
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