支社長は取り扱い要注意!
Prologue
カチカチ…と、時計の針が動いている音が聞こえる。

同時に、わたしはパチパチと電卓を打っていた。

2つの預金通帳を見比べながら、チラシの裏にボールペンを動かして数字を書いて行く。

「――後3ヶ月か…」

ボールペンを動かしていた手を止めると、わたしは息を吐いた。

目標まで後少しと迫っている。

このまま何もなく、順調に進めば目標がかなう。

2つの預金通帳を見つめて、わたしはコクリと首を縦に振ってうなずいた。

「もう少しだ、後少しだ…」

預金通帳をテーブルのうえに置くと、目の前にあるお父さんの遺影と目をあわせた。

「お父さん、後少しだよ。

後3ヶ月で目標がかなうよ。

まひる、最後まで頑張るからね」

お父さんに向かって、わたしは宣言をした。
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