支社長は取り扱い要注意！

出された条件

眠れたのか眠れなかったのかもよくわからない状況の中で、朝ご飯とお弁当を作って会社に行った。

支社長が風邪をひいて休んでくれないかなと言うことを期待したけれど、案の定で彼は出社してデスクに座っていた。

そして出社したわたしの姿を見つけると、
「高畑まひる」
と、フルネームでわたしの名前を呼ぶとデスクから腰をあげた。

「はい…」

わたしが返事をしたことを確認すると、ついてこいと言わんばかりに支社長は背中を見せて歩き出した。

本当に、何でこんなことになってるんだろう…？

副業のことは誰にもしゃべっていないはずなのに、何でこのような状況になっちゃったんだろう…？

そう思いながら、わたしは支社長の後を追うように歩き出した。

「高畑、一体何をやらかしたんだ？」

「かわいそう…」

「何があったんだろうね？」

そんなわたしの様子を社員たちがヒソヒソと声をひそめながら見ていた。

ううっ、生贄に選ばれた気分だよ…。
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