全く。
誰が “ボウヤ” だって?

今、ギクシャクと慣れない仕草で部屋の手配をしている女に、俺は復讐心を滾らせていた。

ひとのコンプレックス(この童顔(かお)な)、ビシビシ突いてきやがって。

しかも、『これでも27歳なの』って…

俺より、いっこ歳下じゃねえか!

大方、あんな時間に海にいたから、学生だとでも思い込んでいるんだろう。

ムカつくヤツだ。

死にたきゃ勝手に死ねばいいと、興味本位で眺めていただけだったのに、気がつけば身体が勝手に動いてた。

振り返った瞬間、沈みこんだ暗い目が飛び込んできて、一気に萎えたけど…

でもそれからが面白かった。

頬を思いっきり打たれた時、まるで身体を電流が貫いたようにビィンときたんだ。

親にも殴られたことなんかないのに。

ムカついたから、つい酷い言葉を浴びせまくった。
そうしたら。
てっきりシクシク泣き出すと思ったのに、意外にもポンポン言い返してきやがった。

でもそのリズムが、妙に気分に合って、心地よかったりして。

真っ白な、幽霊みたいな顔してたのが、俺の悪態に反応して、パッと赤みが差してくる様もわなかなか色っぽかったしな。