今日は、朝からツいてない。

まずひとつ。
朝、大屋さんにいきなり言われた。
『うーん、ゴメンねえ。このアパートね、来月、耐震工事することになったんよねえ。それでねぇ?悪いんやけどお、今月中に他をあたってほしいんよねぇ。よろしくねえ』
『エ…』

近々、部屋を追い出されることが決まった……

2つ目。
そのことで軽くないショックを受けていたところ、書類の凡ミスを、部長に厳しく指摘されてしまった。
『これ。ここと、ここ。午前中までに修正』
彼は、無駄な小言を一切言わないけど、同時に慰めてもくれないので、かなり凹む。

そして、極めつけは3つ目。

書類の修正のために、過去の書類を洗わなければならなかった私は、あの懐かしの、地下書類保管庫、『資料整理室』に向かわなければならなかった。

そして…

「「あ」」

当然のように、あの人と出くわす。
そう、私を追い詰め、逆に翔(社長)の怒りを買って失脚した、神垣主任(チーフ)。

彼はその後、私の後釜に据えられ、この『資料整理室』の主になった。

人事の実権を握っていた当時は、まがりなりにもパリッとして、エリートっぽくキメていたが…
今となっては髪はボサボサ、ところどころ無精ひげが伸びていて、服装もヨレヨレ。かなり精彩を欠いている。