人間複製機
美しく
完璧だった。


大雅はあたしの嘘を信じ込んでくれた。


学校にいるだけでいいからと言ったのは、外にいてもあたしの身は危険であると遠まわしに伝えるためだった。


大雅は練習熱心で真面目な性格だ。


外にいたって、きっとあたしの事をほっておくことはできないだろう。


あたしが呼べばきっとすぐに駆けつけてくれる。


そう思うと、鼻歌を歌いたい気分になった。


家に戻るとさっそく買って来た商品を並べ始めた。


今日の一番のお気に入りはやっぱりバッグだった。


これ1つで20万円もしているのだから、お気に入りにならないワケがない。


服も靴もネックレスも全部が輝いて見える。


あたしはそれらを身に着けて鏡の前に立った。


新作のリップも試に付けてみる。
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