人間複製機
貰う
「弘樹の妹って確かまだ幼稚園だぞ」


あたしと弘樹のやりとりを見ていた陸人がそう声をかけて来た。


「わかってるよ。妹さんの物を奪うつもりなんてないし」


そう言い、あたしはそっぽを向いた。


ちゃんと声に出して断れなかっただけだ。


けれど、明日弘樹が持ってきたらちゃんと断る事が出来る。


あたしは再びスマホに視線を落とした。


もう少し安く販売していないだろうか。


ぬいぐるみはサイズも色々あったから、小さいものならそれほど高くないはずだ。


1度欲しいと思ったらどうしてもそれが欲しくなってしまう。


自分の性格を呪いながらも、変わる事ができない。
< 12 / 211 >

この作品をシェア

pagetop