人間複製機
写真
翌日、あたしは朝早く起きて学校へ向かっていた。


あたしの体調が悪いと思っていた両親は驚いた顔をしていたけれど、そんなの関係なかった。


今日はやらなきゃいけない事があるんだ。


誰よりも早く学校に到着したあたしは、真っ直ぐ教室へと向かった。


まだ誰もいない静かな教室内。


あたしは鞄の中から昨日印刷した写真を取り出した。


大きく引き伸ばしたサイズの写真を10枚ほど準備した。


そこに映っているのは、おじさんと一緒にホテルから出て来るナオの姿だった。


それを教室の入り口や黒板、壁に次々と張り付けて行く。


これだけ貼っておけば嫌でもクラスメートたちの目につくことだろう。


身に覚えのない写真を見て、ナオはさぞ驚く事だろう。


陸人の関係もこれで終わりだ。


あたしはすべての写真を貼り終えて、自分の鞄を手に教室を出たのだった。
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