人間複製機
限界~弘樹サイド~
もう限界だった。


俺の忠告を聞こうとしないマキは複製機の恐ろしさをまだ知らないんだ。


誰でもいい。


誰かに手伝ってもらわないといけない状況になっていた。


そんな時偶然通りかかったのは柚香だった。


柚香は俺の幼馴染で家も近い。


帰り道にバッタリ出くわす事も珍しくなかった。


「怖い顔して、どうしたの?」


柚香にそう聞かれて、俺は一瞬言葉を飲みこんだ。


複製機のことは柚香には話していない。


あの機械に関することで巻き込みたくないと思ったからだ。


けれど、目の前にいる柚香はいつもと変わらず俺を見てくれている。


それはずっと昔から知っている柚香そのもので、俺は安堵感を覚えた。


「実は……」


それから俺は柚香に複製機について話し始めたのだった……。
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