人間複製機
髪の色
それからあたしたち3人は近くのファミレスに来ていた。


せっかく休日にこうしてクラスメート3人が集まったのだから、少しくらい会話をしてみてもいいと思って、あたしが提案したのだ。


「実はあたし、駅前で弘樹を見たんだよね」


パフェを半分ほど食べたところで、ナオが言った。


「え?」


弘樹がパスタから顔を上げて目を丸くする。


「弘樹、1人じゃなかったでしょ」


ナオがそう言うと、弘樹は一瞬表情をひきつらせた。


なにかまずい事を言ったのかもしれないと思ったが、次の瞬間には弘樹はおだやかな表情へ戻っていた。


「なんだ、見てたのか」


そう言い、ばつが悪そうに頭をかく弘樹。
< 32 / 211 >

この作品をシェア

pagetop