人間複製機
羽振りが良くなる
手始めにあたしは駅前のデパートへ向かった。


デパートの最上階には沢山のブランド店が立ち並んでいる。


4万円じゃバッグや靴を買う事はできないけれど、キーホルダーや小銭入れくらいなら手に入る。


絶対に欲しいというワケじゃなかったけれど、ブランド物を集める事はあたしにとってステータスだと思っていた。


今までは少ないお小遣いを懸命に貯めて買っていたけれど、今日はお金の事を気にする必要はなかった。


好きなブランドの小物を数点手に取り、レジに向かう。


レジへ行くまでの間にバッグや靴に視線を向けた。


あれもこれも持っていれば注目されること間違いなしだ。


あたしはそれらをジックリと吟味した後、店を出たのだった。
< 77 / 211 >

この作品をシェア

pagetop