ピーターパンシンドローム

視界

『視界』


視え過ぎることに恐怖して
フレームだけで世界を覗く

切り取ってみた日常は
何故だか全部
挿絵みたいだ

叫ぶような主旋律
踵で刻む僕の今日
眼裏で光る昨日の星と
側溝で唸る水の流れと

頭の中で混ぜていく

息を吸い込んで肺まで満たす

別に無くたって生きられるけど
無くちゃ僕ではいられないから

揺らぎ迫る夕闇に
また少しだけ怖くなって
速すぎる鼓動に眩暈がして

僕が僕で在ることに
価値はあるのかって
元も子もない問いをしながら

指先でなぞる
僕の今日

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