ピーターパンシンドローム

言ってしまえば

『言ってしまえば』


青に包まれた朝が来て
見慣れた町に霞がかかる

着の身着のままの数分が
何故だか貴重で特別だった

ただ唐突に単純に
自然発生のバクテリアみたいに
広い世界へひとりだけ

なんて
取り留めもない空想に耽るけど

一人になりたい
そう言えるのは
僕が独りじゃないからで

一人が心地好い
そう言えるのも
僕が独りじゃないからで

今世の僕も
実はそんなに悪くないから

瞬きしたら忘れてるんだ

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