悪魔の囁きは溺愛の始まり
過去

出逢い

3年半前――――

大学生活も終わりになる季節になれば、話題は『卒業旅行』だ。

私も仲良し3人組で卒業旅行を計画した。

行き先は――――


「ハワイに行きたい!花(はな)は何度も行ってるでしょ?案内してよ。」


肩までのふんわり髪を揺らしながら、友達の佐々木 波羽(ささき はわ)が言う。

それに大きく同意しているのが白石 琴音(しらいし ことね)だ。

仲良しの友達の間では、一花の花だけをあだ名として呼ばれている。

そして波羽は波(なみ)、琴音は音(おと)とお互いを呼び合っている。


「そうだよ。花、案内しなさいよ。卒業旅行を楽しみたいし、ツアーで案内されるより自由に回れそうでいいし。」

「うんうん、自由、気儘に旅行したい。」


可愛らしい二人の瞳がお願いするように私を見ている。


「わかった。ハワイ大好きだし、私も問題ないよ。本当にハワイでいいの?」

「うん、決まり!」

「私も!」


二人に押しきられ、私達の旅はハワイに決定した。

それからは準備やら手続きやら盛り上がり捲っていた。

そして私達は大学を卒業した3月にハワイへと旅行に出掛ける事になった。
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