悪魔の囁きは溺愛の始まり
三角関係

猛アタック

「っで、家はどこだ?」

「いいです。駅から歩けるし。」

「車で送れるのに『駅で』って意味がわからない。」

「ほら、家族と住んでるし。」

「別に構わない。」


店を出てから二人で押し問答を繰り返している。私は実家暮らしだし、誰かに見られたらと思うが………。


「住所は?入力するから。」

「………。」


結局、私が折れるのだ。蒼大さんがナビを設定して車を発進させた。


「俺は一人暮らしだから。いつでも遊びに来いよ。」

「はいはい。」

「本気で言ってるんだが?」

「行く機会なんてある?」

「一花、忘れるなよ?俺と一花は付き合ってる。つまり彼氏彼女だ。」


蒼大さんが念を押してくる。


「週末、デートするぞ。どこに行きたい?」

「う~ん、考えておく。蒼大さんも考えて?」

「わかった。メッセージを送る。」


家の前に到着し、ガレージに並ぶ車に目を向けてから私を見た。


「お嬢様ね………。」

「ありがとう。また週末……。」

「はっ?明日は?夜ご飯に行くぞ。」


結局、明日も夜ご飯に誘われた。
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