気高き国王の過保護な愛執
フレデリカが入ってきた入り口はUの開いた口の側にあり、閉じた頂点にあたる場所に置かれた椅子は、ひと際豪奢な装飾が施されていた。あれが王の席だろう。

フレデリカは扉を背にして跪いた。

顔を伏せ、そろそろ姿勢を変えたくなるほど待たされた頃、部屋の奥にあるもうひとつの入り口の向こうから、さわさわと気配が近づいてきた。

その入り口に扉はない。大理石の廊下を悠然と踏む足音が、圧力にも似た空気を伴って部屋に入ってきた。

室内のそこかしこで衣擦れの音が響いた。誰もが首を垂れ、国の絶対君主の姿を直接見ないよう、身体を緊張させているのが感じられる。


「顔を」


驚いたことに、彼は歩みを止める前に、そうフレデリカに言葉を投げた。威圧的というよりは、冷たいと言ったほうが近い、興味のなさそうな声だった。

不敬に当たらないようゆっくりと視線を上げる。ちょうど彼が、中央の椅子のそばで最後の一歩を踏んだところだった。艶のある黒革の長靴が、コツンと鳴り、動きを止める。

ディートリヒ・デアツヴァイテ。この国の王。

腰に帯びた剣の金の鞘に、宝石がきらめいている。黒い下衣、黒い剣帯、ビロードに縁飾りのついた黒い上衣。目の覚めるような緋色の毛皮のマントは、煩わしいとばかりに背中に跳ねのけられ、王の若々しい体躯を浮かび上がらせる背景となっていた。

フレデリカは愕然とした。

輝く黄金の髪。

青みがかった灰色の瞳。

誰かの咳払いが聞こえ、慌てて顔を伏せた。注視しすぎたのだ。

心臓が激しく鳴っていた。彼女を見下ろしていた無感動な視線。引き結ばれた唇。

印象はまるで別人だ。

だけど間違いない、あの顔は。

この一年間、いつだって胸の中にあった、あの顔は。


ルビオだった。


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