気高き国王の過保護な愛執
「私があなたの分もあなたを信じるわ」

「ありがとう」

「…私がいるわ。広い王城で、会えることなんてめったにないかもしれないけど、どこかに私がいるって、思ってて。ルビオの名付け親よ。私がいるってことは、あなたもいるのよ、ちゃんと」


我ながら愚にもつかない論理だと思ったが、フレデリカなりに必死だった。

オットーを失ってから僧院に身を寄せるまでの少しの期間。後ろ盾も身寄りもない孤独を味わった。あの、自分が立っている場所だけがすこんと抜け落ちたような心もとなさ。自分が存在しているのかどうか、確かめようがない不安。

ルビオは一年間も、足元に暗い穴が開いた状態で、かろうじて立っているのだ。誰よりも高い場所に、たったひとりで。


「うん」


子供のようにこくんとうなずき、ルビオはまたフレデリカを抱きしめた。


「ありがとう、リッカ」


自分の無力さが歯痒かった。


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