告白の時間
千歳の幸せ計画
「…お酒強いですね、鳴海君」

照明が最小限に落とされた店内の一角…

酔い潰れて寝てしまった千歳と花園をよそに、桂木十子はワインのボトルを傾けると鳴海のグラスへと注いだ。

「酒屋の息子なんで、一応…」

「へー」

千歳と花園を起こさないように、隣のテーブルに移った二人の前には、十数本のカラのボトルが置かれている。

「桂木さんの方こそイケる口ですね…先程から顔色ぜんぜん変わってないですよ?」

鳴海は微笑すると、ワイングラスを口に運んだ。

「いやいや、結構酔ってますよ」

キレ長の目を細めて桂木は頬杖をつくと、残りのワインを飲み干した。

明日はここに集まった全員が休みという事で、夜更け過ぎまで酒盛りをしていたが結局最後まで残ったのは、この二人だけだった。

彼らは今日が初対面という間柄で、ついさっきまで他人だったのだから、この酒盛りは微妙なフンイキをかもし出していた。

「鳴海君、私と同じ高校だったんですよねぇ、ぜんぜん知らなかった…いました?本当に」

「それはお互い様でしょ?桂木さん…三年の時、千歳とクラス一緒でしたけど?」

酔っいるせいなのか、歯に衣着せぬ会話が続いていく。

「あっそうなんだ…じゃあ鳴海君、千歳が好きな人が誰だか知ってました?」
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