華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
6.徐々に姿を現す、黒き闇
***

「……ソフィア様、また届いています」

「中身は見なくてもいいわ。そのまま捨てて頂戴」

私は大きくため息をつき、ナディにそう告げた。


――あの事件から一週間。
落ち着いた生活を取り戻していたかに見えた。

ナディは3日目にはもう大丈夫だと、まだ休んでいたほうがいいと言う私を振り切り、仕事に復帰。
以来、いつもと変わらず仕事にあたっている。

まだ身体も痛むだろうし、本当はもう少し休んでいて欲しかった。

でもナディは聞かなかった。
問題ないと言って部屋にやってくる。

仕方がないのでナディの好きなようにやらせることにした。

とはいってもやはり無理のない程度に。
自分でできることはなるべくやるようにはしている。


つまり、いつもと変わらない生活に戻った。

……のはずだったのだが、ナディが復帰してからというもの、部屋の前に新たな贈り物が置かれるようになった。

最初その箱が置かれていた時は、あまりにも綺麗な包装紙に包まれていたので、殿下がまた新しい贈り物をしてきたのだと思い、なにも考えずに開けてしまったのだが、箱を開けた瞬間に強烈に漂う異臭。

ナディはその場で吐いてしまい、私もその臭いにむせてえずきながら、部屋の窓という窓を開けまくった。

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