華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
7.この命を惜しむ必要なんてない
……どのくらい抱き合っていただろう。
やがて王子が名残惜しそうに、私の身体から離れた。


「本当はこのまま押し倒してしまいたいくらいだが、そういうわけにもいかない。残念だが、今日はここまでだ。だが、次俺がこの部屋に来たときは、ソフィアを抱くときだ。そのつもりで覚悟しておけよ
?」

「え?あ、あの」

「ソフィアが俺の名を呼んだ。つまり、そういうことでいいんだよな?まあお前からの俺への思いはベッドの中で聞くことにしよう。俺は飢えているからな、お前からの愛の言葉を聞きたくて仕方ない」

さらりと恐ろしいことを口にする。
お陰で私の心臓は激しさを増し、苦しく感じるほどだった。

「……じゃあ、ソフィア。私は一旦失礼する。今日は夜までゆっくりと休め」

王子はそう言いながら、私の頬に軽く口づけをし、そして部屋を出ていった。


部屋の中にひとりになった瞬間、全身から力が抜けその場にへたり込んでしまう。


踏み込んではいけない領域に入ってしまったのだと、そのとき改めて思った。
受け入れてしまえばどうなるか、分かっていたはずなのに。


……けれど、なぜだろう。
不安よりも、期待のほうが大きいのは。


変に身体が火照る。
心臓はバクバク、頭の中は混乱状態だ。


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