華麗なる国王の囚われ花嫁~若き絶対君主の一途な愛~
4.戸惑いの中での距離
それから一睡もできなかった。

……できるわけないのだわ。
あんなに堂々と宣言されて、冷静になれるわけなんてない。

私が王子を好きになる?

そんなこと、あるわけないでしょう?

好きになれる根拠がどこにあるというの。
どこからその自信が湧き出てくるというの。

……わからない。

王子の考えていることが。


頭の中でぐるぐると回る、疑問。

けれど考えたところで答えは出るわけはなく。

ただただ悶々としたまま、結局朝を迎えてしまった。



「おはようございます、ソフィア様」



そう声を掛けられて、我に返る。

いつの間にかナディが部屋に入ってきていたが、考え込んでいてまったく気がついていなかった。


「あ、ええ。おはようナディ」


よく見るとナディの手には、白い紙に包まれた四角い箱のようなものが抱かれている。

「あら?それは」

「アレックス王子より、ソフィア様にと」


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