彼と恋のレベル上げ(10/6おまけ追加)
3日目

金曜日 週末が楽しみなんていつ以来?

今日は待ちに待った金曜日。

店舗の方は営業しているけど、事務所はお休み。

この週末はゲーム三昧する予定。

24の女が週末にゲーム三昧なんて大きな声じゃ言えないけど、あっちの世界では誰も自分の年齢なんか知らない。

だから昨日も気楽にスーラさんと楽しくおしゃべり出来たんだよね。


「もーもーかーちゃん。おはよ♪」

「あ、望亜奈さんおはようございます」


望亜奈さんは今日はいつも以上にメイクもバッチリで、なんのお仕事ですかって聞きたくなるぐらい。


「ね、桃ちゃん。今日の夜、空いてるよね♪」


さっきからなんなんでしょう。この望亜奈さんの♪攻撃は。

だいぶ嫌な予感がして、なんて答えようか戸惑っていると


「桃ちゃん、彼欲しいって言ってたよね♪」


いや、確かに彼は欲しいって言ったかもしれないけど、なんかこの流れって……


「今日合コンだからね。勝手に定時で帰んないでね」

「え、や、あの、だって、いきなり言われても……」

「大丈夫。桃ちゃんいつもかわいい服着てるから。それに運命の人に出会えるかもしれないしね♪」

「でも、あの……」

「あーお金だったら大丈夫、今日は全部向こう持ちだから♪」


望亜奈さんにここまで言われて断れたためしがない。

たまに強制連行で合コンに連れて行かれているけど、いまだかつて彼ができていない。

決して理想が高いとかじゃないと思うんだけど、連絡先を教えたことは一度もない。今後にやり取りしたいと思える人に出逢えてないだけ。だと思いたい。

っていうか、今日は夜更かししてゲームする予定だったのに。

ご飯代は浮くからいいけど、あぁ大事なゲームの時間が。

今日の予定を聞かれてまさか家でオンラインゲームするからとは望亜奈さんには言えなかった。
さよなら、私のゲームの時間。
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