地味OLはシンデレラ
時計は20時半を指している。
晩御飯を食べ終えて、篠宮部長は車で家まで送ってくれた。

私が住む3階建てのアパートはファミリー向けのタイプで、2LDKと、一人暮らしの私にとっては、かなり広い。
1階に大家さんが住んでいて、私は3階に住んでいる。

角を曲がればアパートが見える。
もうすぐ家に着く。
というところで、異変に気づいた。
アパートの前が騒がしい。
「何事だろう」
急いで車を降りてアパートに駆け寄ると、大家さんが私に声をかけた。
「栗原さん!栗原さんのお隣に空き巣が入ったみたいよ!」
「えええー!!」
篠宮部長も異変に気づき、私の隣にいてくれている。
急に怖くなって、手が震えているのに気づいた。
篠宮部長は私の震える手を握りしめてくれた。
警察官立ち会いのもと、私は部屋に入ると、どうやら私のところは無事のようだった。
朝出勤した時と同じ状態だったので。
それでもこの状況で、ひとりこの部屋にいるのは怖い。
「とりあえず、家族の人に連絡したほうがいいんじゃないか?」
篠宮部長、私にとって家族は社長だけなんです。
なんて、言えないよ。
いや、でも、この状況はどうしたらいいのやら。
社長のことだから、連絡しなかったら、とんでもなく面倒なことになりそうだし。
しばらく考え込んで、私は決心した。
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