君を愛していいのは俺だけ
2人の空白


 昨夜を思い出すだけで、頬が熱くなる。
 しかも、彼が設けた一カ月が始まったばかりなのに、今日と明日の二日間はクリスマスデートをすることになった。


『今朝の気温は二度。真冬の寒さでお目覚めになった方も多いのではないでしょうか――』


 予定の九時起床よりも三十分早く目覚め、朝のワイドショーが報じる天気予報を参考に、なにを着るか考えているところだ。
 流行りのチェック柄のスカートに、形の綺麗なVネックの白ニットを合わせ、メイクを済ませて何度も身なりを確認する。


 テーブルに置いておいた携帯が鳴って画面に触れると、陽太くんからのメッセージが表示された。


【おはよう。もう起きてる?】
【おはよう。起きてますよ】

 そう返すと、彼からの着信画面に切り替わった。


《もしもし、仁香?》

 耳をくすぐる彼の声は、電話だと少し低く聞こえて、胸がドキドキと音を立てる。


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