「俺が知らないわけないだろう」

天蓋つきの大きなベッドにふんぞり返りながら、ルーファスは冷ややかにセシルを見下ろした。
その隣で、当のセシルは驚きにぽかんと口を開けている。

シャンテルとセシルの花嫁入れ替え計画。
てっきりルーファスには内緒で進められた話だと思っていたのに。聞けば予め綿密に準備されたものだったらしい。

「『花嫁を入れ替えよう』なんて突拍子もないことを言いだしたのは、俺ではなくシャンテルだがな。恐れ入ったよ」

くつくつと喉の奥で笑いながら満足そうにしているルーファス。

「お前の姉も、なかなか豪胆な性格をしている。あれはあれで、結婚してみたら面白かったかもしれないな。少し惜しいことをした」

「っえっ……なっ……!?」

「冗談だ。そんなに慌てるなよ」

相変わらず意地悪なルーファスは、わざとセシルが困るようなことを言っては、その表情の変化を楽しんでいる。

「それにしても、知らなかったのは私だけなんて……」

「そういえば、言い忘れていたな」

「言い忘れるって……こんなに大事なことを!?」

そんなわけはない、にやにやとしたルーファスを見る限り、間違いなく確信犯だ。