過保護なドクターととろ甘同居
互いの気持ちを打ち明けたあの夜から、一カ月ほどの月日が流れた。
仕事中は相変わらず淡々とした院長とスタッフの関係を築いているけれど、こうして二人きりになると先生は甘く愛おしそうに私へと触れてくれる。
回された腕に遠慮がちに手を置き、ギュッと抱き締め返した。
「もうできますので、ちょっと待っててください」
先生は「ああ」と短く返事をし、私のこめかみへとキスを落とす。
腕を解くとカウンターの向こう側へと行き、ダイニングの奥にある大きな窓から外を眺めた。
暖かい春がすぐそこに迫った三月下旬。
空には冬の寒さはもう消え去り、明るい日差しが日に日に見られる季節となった。
泡立てたミルクをカップに注ぎ、その上にココアパウダーを散らす。
先にテーブルへと掛けた先生の前に出来上がったカップを置いた。