過保護なドクターととろ甘同居
番外編★Baby & Wedding



ジリジリとアブラゼミの合唱が聞こえる八月半ば。

今年も残暑は厳しく、エアコンをかけた部屋が心地いい。

それでも体を冷やさないようにと、白衣の上には常にカーディガンを羽織って過ごしている。


「毎日見てるけどさ、何だか急にお腹が膨らんできた感じしない?」


いつものお昼休み。

ポットのお湯を急須に注ぎながら、宮城さんは私へと振り返る。

お昼休みに入れるお茶は、最近は私のために緑茶からほうじ茶へと変わった。

ほうじ茶には妊娠中に大事なミネラルやビタミン、アミノ酸が豊富に含まれているからいいのだと、宮城さんがわざわざ茶葉を用意してくれた。


「そうですか? でも、結構目立ってきました」

「うん。もう五ヶ月だもんねー、早いわ」

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