過保護なドクターととろ甘同居
「検査薬で陰性だったんだし、わざわざ調べてもらわなくても大丈夫だよ、できてないって」
「はっ?! そんな市販の検査薬で正解にわかるわけないだろ」
集まる視線に、思わず俊くんの腕を叩く。
それを鬱陶しそうに払う仕草に、もう潮時だとため息が漏れ出た。
私、三枝沙綾(さえぐささあや)と田畑(たばた)俊くんとは、付き合ってもうすぐ一年が経つ。
きっかけは、私がバイトをしているコーヒーショップに俊くんが通っていたことが始まり。
俊くんからの猛烈なアプローチから、連絡先を聞かれ、外で会い、お付き合いが始まった。
明るい髪色のランダムマッシュカット。
目は二重で大きめだけど、その他のパーツは小さめで、“可愛らしい男子”という位置付けをされるタイプだと思われる。
背丈は低くなく高くなくの平均的な身長で、いつもジーンズにTシャツといったラフな服装をしていた。
お店に来るたび、俊くんは長い時間テキストを開いて勉強に励んでいた。
見た目も若いから、学生なのかな?と思っていたけど、知り合って話を聞くと、歳は私の二つ下の二十四歳で、フリーターをしながら税理士の資格を取得するために勉強していると話してくれた。