過保護なドクターととろ甘同居
Chapter5
今日も待合室は多くの患者さんで賑わいをみせている。
時折、乳児健診でお母さんとやってきている赤ちゃんの泣き声なんかも聞こえて、ここが産婦人科なんだということが証明される。
「こんにちは。診察券と母子手帳、お預かりします」
働き始めて、あっと言う間に一ヶ月近くが経った。
受付けに座ることにももうすっかり慣れ、初診の患者さんのカルテの作り方も、入院の手続きの仕方も、誰かに頼らず処理できるようになった。
「あの、今朝トイレに行ったときなんですけど……」
母子手帳ケースを開きながら、受付けの私に顔を寄せるのは、臨月だと思われるはち切れんばかりのお腹を抱えた妊婦さん。
まさに“身重”という言葉が当てはまる姿だ。
「なんか、ちょっと何か出た感じがしたんですけど、破水とかじゃないですよね?」
「えっ」