ベッドサイドに置いてある時計を振り返ると、針は深夜零時を回っていた。

二十二時過ぎから読み出した、買ってきたばかりのミステリー小説。

どっぷり読み耽ってしまい、気付けば二時間が経っていた。

クライマックスに差し掛かるページに栞を挟み、椅子を立ち上がる。

ちょっと喉を潤したら、ラストまで読んでしまおうとワクワクしながら部屋の扉をあとにした。


電球色の照明がほんのりと照らす静かな廊下へと出る。

突き当たりの部屋から真っ直ぐの廊下を進んで行くと、リビングの少し開いたドアの向こうから明かりがもれていた。

すぐ前まで近付き、そっとドアを押してみる。

中を覗くと、奥のソファーに掛ける先生の頭が見えた。

この時間に先生がリビングのソファーでまったりしているのを見かけたのは、ここに来てから初めてのことだった。

普段、もう休んでいるなら自室にこもっているし、そうでなければ病院にまだ下りている。

でも、白衣は着ていないものの、スーツのままなのが窺えた。

珍しいなと思いながら覗いていると、不意にこちらに顔を振り向かせた先生が私の姿に気が付いた。

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