過保護なドクターととろ甘同居
「え、気に掛けてるっていうのは……」
何だか特別な意味を含んでいるような気がして、話に食い付く。
宮城さんは箸を止め、顔を突き出した。
「いやね、私この間のお休みの時、たまたま見かけちゃったのよ、院長と、滝瀬さんが会ってるのを」
「えっ……」
「病院外で会ってるなんて、個人的に連絡取ってるってことでしょ?」
どこかワクワクしたような調子で話す宮城さんを目にしながら、何故だかきゅっと胸が締め付けられる。
その痛みに追い打ちをかけるように、宮城さんは「だからさ、もしかして院長と滝瀬さんどうにかなっちゃってるのかなって」と言った。
「そうなんですか……」
「三枝さんさ、院長と住まい一緒だし、ちょっと探り入れてみてよ!」
「えっ、私がですか?!」
あれこれ考える間も与えず、宮城さんはとんでもない指令を出してくる。
木之本さんが「ちょっと、宮城さん」と苦笑いを浮かべていた。
「いいじゃない、私たちも気になってるし、ね?」
「はあ……探り、ですか……」
「何かわかったら教えてよね!」
話をまとめ上げた宮城さんは、お弁当を片付けると紙袋を引き寄せる。
「どれいただこうかな〜」と、楽しそうにいただきもののケーキを選び始めた。