不機嫌なジェミニ

ゆるい束縛。

土曜日。
お題のデザイン画はまだ2枚残っているけど…

この間のように会社に行ってジンさんに見つかるわけにもいかないか…
夕飯までご馳走になっちゃったし…

天気が良いので私は家事を適当に片付け、近所の公園に出かけることにした。(家にいると、やらねばならない事をたくさん思いついて落ち着かないし)


広い公園はお散歩やジョギングをする人達も多いけれど…

寒い2月にベンチに座り込んで考え込んでいるような物好きはいない。

吐く息が白いほど空気が冷たいのも、眠くならなくっていいかもしれない。



スケッチを広げ、自分がどんなモノを身につけると嬉しいか想像する。

次第に周りが気にならなくなって、自分だけの考えに集中していく。

デザイン画を描いては、考え直し、

シンプルで、可愛らしくて、上品で。

ジンさんがリュックに付けてくれたピンバッジのように…



ブルリと身体が震えて

ふと気づくと、辺りは夕暮れになっている。
ベンチの横の照明もいつのまにか付いていた。

手が冷たくなっているのに気がついて、手を擦り合わせ、
リュックに荷物をしまおうとすると、放り込んであったスマホの点滅に気が付いた。

ジンさんからの着信。
何かヘマでもやらかしましたか?

慌てて電話に出ると

「この馬鹿!どこにいる?!」とジンさんの怒った声が聞こえた。



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