クールな部長とときめき社内恋愛
3.優しい腕とか、キスとか
藤麻さんとの距離が近づいたのは泣いてぶつかった日のことがあったからで、その日は衝撃的な振られかたをした日でもある。

ネックレスを拾ってもらうようなことがなければ、会社で話しかけられることもなかっただろう。
今まで接点のなかった男性が急に近くに寄ってきて、二回もわたしの部屋に泊まったなんて自分でも信じられない。

なにかとわたしを構ってきて、助けてくれて、ドキドキしてしまうようなことを平気でしてくる。
資料室でキスしそうなくらい顔が近づいてから数日経って週も明けたけど、やっぱり藤麻さんのことを考えてしまった。

会社でも相変わらず彼は冗談なのか本気なのかわからない感じだし、段々と振り回されることが当たり前になってきているような気がしてなんだか複雑だ。

いつまでわたしのことを構うつもりなのかな。彼が話しかけてこなくなったら、わたしはどう思うのだろう。


「そういえば次の新商品、三課の担当らしいね」

昼休み、食堂でご飯を食べ終えてひと息つき、ご馳走様でしたと手を合わせた後、隣に座っていた美知が興味深げに聞いてきた。
来季、フジマルのインスタントラーメンに新商品が登場する。

商品キャラクターを作ってキャンペーンなどで推していくようで、宣伝部と担当の第三営業課も忙しくしていた。
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