昼下がりの情事(よしなしごと)
いや、実際、歓迎会の終わりに美咲を家まで送ってきた送り狼(仮名)がいる。
インターフォンが鳴ったので、モニターを見たら、美咲の隣に送り狼(仮名)が映っていた。
和哉は速攻で玄関に出て行った。
そして、長身を活かして真上から、眼光鋭い一撃を、送り狼(仮名)に向けて放つ。
送り狼(仮名)は、なにやらワケのわからんことをつぶやきながら、後ずさりして逃げ帰っていった。
もし、あのとき自分が残業で家にだれもいなかったら……と思うと、和哉は今でも生きた心地がしない。
っていうか、そもそも新しく来た派遣社員一人だけのための歓迎会、って開くか?
少なくとも和哉の会社では前代未聞だ。
……やっぱり、美咲を働かせるわけにはいかないな。