昼下がりの情事(よしなしごと)
Chapter 7 *志郎*
「……あなたが、土日に家をあけることが多かったって、美咲から聞いたんですけど」
合ってしまった目を逸らすことなく、魚住が口を開いた。
「もしかして……
お子さんたちに、会ってらっしゃったんじゃないんですか?」
志郎の目が見開く。
「どうしてそれを……」
……この男も興信所を使って?
「いや、おれの勝手な憶測ですよ」
まるで、志郎の心を読み取ったかのように、魚住は言った。
「土日、っていうところが引っかかりましてね。学校って土日休みですよね……それに」
そして、志郎を見る目に力を込めた。
「……おれにはあなたが、愛人に入れ込むような人には見えません」