昼下がりの情事(よしなしごと)
すでにアイスコーヒーは氷だけになっていた。
ウェイトレスのおねえさんがちらちらと、こちらを見ている。
……こうなったら、ビールでも飲んでやろうかなー!
これから初めて会うのは、だれがどうみても、退っ引きならない相手に相違ないから、一杯引っかけておいたほうがいいかもしれない。
そんなふうに思って、ウェイトレスのおねえさんを呼ぼうと右手を上げたら。
ホテルの入り口付近から、フロントの前を通り抜けて、大股でずんずん歩いてくる人影が見えた。