昼下がりの情事(よしなしごと)
Last Chapter *志郎/和哉*

「……ところで、きみ、僕たちは一回り歳が違うけど、同じ干支で同じ星座だってこと、知ってた?」

ティーラウンジを出たところで、志郎が訊いてきた。

ここのお茶代は、和哉を呼び出した方だし、歳上だということもあって、志郎が持った。

「ええ、美咲から聞きました」

和哉は、先刻のティーラウンジのウェイトレスが
外まで来てLINEのIDを教えてこようとするのを、左手で制しながら答えた。

「……全然似てないのにね」

志郎が照れて、頭を掻く。

「いいえ、似てますよ」

和哉が当然のように言う。

……え?

と、志郎が和哉の顔を見る。

「おれもあなたも……惚れた女には、究極に甘いじゃないですか」

和哉が屈託なく笑った。

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