昼下がりの情事(よしなしごと)


ある土曜日の昼下がり。

やたらと目を惹く四人の男女が、大通りを歩いていた。

男二人の身長は一八〇センチほどあって、片方のクールでシャープな雰囲気の魚住(うおずみ) 和哉(かずや)は今流行(はや)りの塩顔で、もう片方の新田(にった) 佳祐(けいすけ)は人懐っこい笑顔が魅力的な王子さま系のイケメンである。

佳祐の隣では、意志の強さが表情に現れた華やかな美女、妻の新田 香里(かおり)が十センチ以上のピンヒールで颯爽と歩いている。

彼らはこの六月に結婚したばかりだ。

和哉の隣では、まだあどけない少女の面影を残した可憐な美人の岡嶋(おかじま) 美咲(みさき)が十センチほどのウェッジソールのサンダルで歩いている。

彼女はつい先日前夫と離婚したばかりだ。

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