ある夜のできごと
突然の呼び出し

奈々side

「あーもー。ほんとむかつく。。」

カウンター席の私の横で愚痴を言っているのは、大学からの友人の和香。
突然、今日会える?って連絡が来たので正直驚いた。とりあえず、よく行くbarでおちあうことにした。

お互い仕事もあり、会うときは事前に日程を決める。だからこそ心配したのだが、大したことではないようだ。
どうやら旦那とけんかしたらしい。

「で、なにがあったの?」
「………なにが、ってわけじゃないんだけど。小さいことがたまりにたまって。。。家出してきた。」
「はぁ?!」
「子供もちゃんと寝かしつけてきたもん!!もう、知らない!!」

呼び出された原因はこれか。

彼女は大学を卒業してすぐ結婚した。相手は学生時代から付き合っている人。
どちらかというと、適当な性格の和香としっかりものの旦那さんといった感じ。

「旦那はね。すごくいい人だと思うの。他のママさんたちの話聞いてたら、旦那さん帰ってくるの夜中とか、土日いても自分のことして遊んでるとか。
その点、うちは、8時までには帰ってくるし、お風呂も子供と一緒に入ってくれる。家事も結構してくれるし…子供のこと大好きでたくさん遊んでくれる。」

のろけにしか聞こえない。
「じゃぁ、なにが不満なの?」

「わかんない。でも、すっごくもやもやする。
洸のいうことにすごく責められてる気分になるの。」

「そっか。今は、気分変えてとりあえず飲もう!
愚痴も聞くから。」
「そうする。あー、お酒のみたいっ。ムリだけど。」

荒れてる和香をなだめて、のむことにした。
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