エリート医師のイジワルな溺甘療法
主治医と恋をする方法


先生に恋人がいるかもしれないと発覚してからすでに二週間が経つ。

けれども、私はちっとも事実を確かめられないでいる。

それは私が大いなるヘタレなせいもあるけれど、訊くきっかけがつかめないということもある。

先生が多忙な今は、接近できるのがマンションでの三十分程度のリハビリタイムのみ。

会えばすぐにリハビリが始まって、終わればすぐに家まで送ってもらう日々。

それというのも、先生の帰宅が超遅いから。

多忙な間は私の出勤日ではなく、先生の都合に合わせた日に変更したのにもかかわらず、そうなっているのだ。

先生はどんどんあり得ないほどに忙しくなっている様子で、それは私には予想以上のことだったので訊いてみたら、今度の学会に参加するから資料作りをしていると教えてくれた。

そのうえに、先日ドクターがひとり病に倒れたので、その人の担当患者のフォローにも回っているという。

おまけに、あたたかい季節になって世間が活動的になっているため怪我人が出やすく、外来も救急も多くて全体の勤務がきつくなっているらしい。

だからインテリアのことをゆっくり話す時間はないし、ましてや色恋沙汰のことなど訊ける雰囲気ではない。

でも、それほどすごく忙しいのに、先生は私のリハビリを止めようとしない。


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