躁うつ病という名の厄介者
厄介者
 ~狂喜の道のり~


狂ったように夜の暗闇を暴走する黒い列車、俺は更に勢いを増して加速していく
列車は踏切に差し掛かろうとしていた。

最初の難関!目の前には無数の障害物が行く手を遮る。

だが迷いはしない、そのまま突っ切る他はない。

どうせブレーキなど効きはしないのだから

列車はクラッシュ寸前
あまりの衝撃に身体が宙を舞う

さすがの暴走列車も耐えるのに苦労している様だ
壊れかけの暴走列車、壊れかけの自分、いや、もう既にぶっ壊れている!!!

壊れ続ける黒い暴走列車

壊れ続ける、ダークな自分、止められない暴走列車、止められない自分、もう耐えられない

暴走列車と自分を止められる者はアレしかない

白い小さな悪魔。その小さな悪魔は、もう一人の自分を否定する。

オレの自由を奪う。俺の思考までも停止する。

もう一人の自分が、頑なに拒否する・・・もうそんな事は考えないにしよう、何も考えず、この非現実的な高揚感を味わうのだ

どの道、この高揚感は、永くは、続かないのだから・・・

今を精一杯生きよう。そして、今を楽しもう

列車は凶器のジェットコースター

まさに狂気の様に突き進む

恐怖心は全くない。このダークな列車を止めるのは容易な事ではない。



街の明かりが美しい。この高揚感は、ますます増していった・・・

車のヘッドライトが眩しい。

燃料が何時まで持つか分からない。列車は、速度を更に増し、緩いカーブへと、突進していく

列車の速度は、更に!更に!!加速していく。そして・・・突然大爆発し大破する!

酷い耳鳴りの中で、目の前が火の海と化す!!!

その暴走列車の旅はこれで終わりを迎えるのだろうか
それともまだ続くのだろうか

もう運を天に任せよう。
暴走列車の先にはもう線路は無かった・・・。



 ~狂宴は続く~俺の本気を見せてやる!~


線路から脱線した壊れた暴走列車は、まだ走っている。


街には特別緊急事態避難命令が発令
騒然とした街

暴走列車は線路の無い街へと突き進む
車輪は火花を更に散らし、線路の無い街をひたすら突進する。

列車のスピード速度は徐々に失速していった。

目の前には数台の戦車が待ち構えている。
いまの俺には戦車など敵ではない

更に、俺のテンションは上がっていく
さあ!準備は、もう出来ている。

何時か終わりが来るのを知っている自分
いずれ落ちる自分を恐れずに

空には無数の戦闘機が俺の命を狙っている。
ミサイルがやって来る。

鳴り響く爆音!!!

全く動じない自分が居る。

そのくらいは想定内だった。

この無敵な自分が本当の自分なのだ。

あの頃の自分ではないのだ。

しかし、列車は、のちに大破する事となる。
俺の脳は覚醒している。

身体も心も研ぎ澄まされている。

列車が大破する寸前

俺は次の手段を瞬時に選択した。

私はヒラリと宙を舞ったと思いきや、空港の滑走路へ

まるで体操選手の様に見事に着地したのだった

自分の強運に驚愕した、みなぎるエネルギー
あの高揚感が蘇る。

全身の血管が脈を打つ
俺は、セブンスターに火を点けた。

深く煙を吸う。
煙草が何時にもまして美味い

そして、
滑走路先には黒い戦闘機らしきものが見える。

それは、ステルス戦闘機だと確認した。

俺はそのステルスに乗り、自分の世界を自在に操る

その黒い戦闘機に乗り込み、そのコックピットに身を沈めた。

今度は戦闘機、自分専用の戦闘機、特別な戦闘機

もう一人の自分を乗せて・・・

俺は鳥のように空を羽ばたいていく・・・。






つづく・・・
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