【完】せんぱい、いただきます。
12月  8皿目:恋バナとペンネのグラタン


「私、大学生になったら、

普通に彼氏できると思ってました。」




「そんなわけ、ないじゃん。」





私はコーラを、先輩はウイスキーを

飲みながら、こたつに入っていた。



私のコーラはまだ5杯目だけど、

先輩は何杯目なんだろう。





今日はいつもより、飲んでいる気がする。





夏、白くて輝いていた先輩の肌は、

冬になり、透けるような白さで、

ある意味女子の敵ではないか、

と思わせるような透明感だ。





「だって、俺、大学入ってから彼女いねーし。」




そう言って、グラスの冷えたウイスキーを

舐める。




「いつからいないんですか?」



「中学生からかなー?」




「え?!」





先輩の予想以上に長い彼女いない歴に驚いて、

思わず声を出してしまった。

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