溺甘スイートルーム~ホテル御曹司の独占愛~
泥船に乗りました
私たちを乗せたタクシーは、ホテルから二十分ほど離れた立派なマンションにたどり着いた。

タクシーを降りると、高台にあるそこからは、まるでダイヤモンドをちりばめたような街の夜景が広がっている。


「きれい」


私が目を輝かせていると、「家のベランダからのほうがきれいだぞ」と彼に手を握られる。
もう恋人のフリをする必要がないのに、こんなふうに触れられて、ドキドキが止まらない。

彼はカードキーでエントランスのドアを解除すると、颯爽と中に入っていく。

大理石でできたピカピカの床。
まぶしいほどのシャンデリア。入口の広いエリアに置かれているソファはもちろん革張りで、おそらく目が飛び出るくらい高いものだろう。

マンション内に一歩踏み入れるだけで、ここがあきらかに私の住む世界とは別世界だとわかるほど豪華さで、落ち着きをなくしてしまう。


彼はエレベーターに乗り、最上階、二十階のボタンを押した。
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