契約の彼女と彼の事情

32話

結婚式だが、おばあ様が式の内容にこだわり、
招く人の関係上、1年先になってしまった。

ただ、1年も待てないという、
修一郎さんの願いで、入籍だけする事になり、
周防 舞になった。

結婚式が1年先になる関係、新婚旅行は先に行く事にした。

ツアーで11日間、
バルセロナではサン・パウ病院や、
ガウディ作品群のサグラダ・ファミリア、グエル公園、カサ・ミラ、

グラナダのアルハンブラ宮殿、

コルドバでは約850本の蹄鉄型のアーチが並ぶメスキータ、

マドリッドのプラド美術館、

アンダルシアのミハスと呼ばれる壁一面が白い街を訪れ、

定番のパエリアを食べ、フラメンコショーを楽しんだ。

買い物では、勉強していたスペイン語を使い、
ツアーガイドに上手いですねと褒められた。


「来て良かった?」

「うん!サグラダ・ファミリアすごかったね」

「後、完成に200年かかるんだって」

「そうね、なら、完成したサグラダ・ファミリアを見るのって、
 孫の孫の孫?」

「子孫に伝えておく?完成したら、見に来るようにって」

「それもいいかも」

日本とはまったく違う夜景を楽しみながら、幸せに浸っていた。
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