契約の彼女と彼の事情

7話

「舞は警戒心がなさすぎるよ」

「そもそもあぶない人はアパート入れません」

最初出会った時、契約で、彼女の振りはするが、
一線は越えないという内容がある。

はあ、と修一郎さんはため息をつく、

「そんなんじゃ、子供つくれませんよ?」

すると、舞!と叫んでいた。

私は、肩をすくめるだけで、鏡に映った自分を見ていた。

着付けの基本は、ネットで調べていたため、
比較的スムーズだったが、帯を結ぶのは流石に上手くいかず、
修一郎さんにしてもらっている。

それにしても、修一郎さんが持ってきてくれた着物は、
赤に繊細な模様がいくつも入っていて、
かなり高級品じゃないかと察しられる。

いいのかなと思いつつ、
変身していく自分の姿を眺めていた。

「これでいいよ」

修一郎さんが、帯を軽くポンと叩く、

「ありがとうございます」

着物を着た自分は、意外にも可愛く見えて、
節約の為、黒いままの髪は、
さらに着物を引き立てているように見えた。

「舞って、自己評価が低すぎるよ」

「そうですか?」

「自分で思っているより、ずっと魅力的だよ」

「そんな事言ったって、10万はまけませんからね」

そう言うと、少し困った顔の修一郎さんが、鏡に映っていた。
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